タイトル
「ジャグリングで生きるということ ~ 芸と語りで伝える、昭和~平成の江戸太神楽」
江戸太神楽 丸一仙翁
講演会の趣旨と開催歴
ジャグリング協会ではスポーツやアートとしてのジャグリングのみならず、 ジャグリングのさらなる発展のために「文化」としての教育普及活動を強化して行きたいと、 2012年よりジャグリングに関する講演会活動を開始しました。本活動を通じて、 現代社会の中におけるジャグリングを支える人材を支援するとともに、 自分たちの立ち位置やジャグラーが進むべき方向性を見つめ直す契機としていきたいと思っています。
<過去登壇者>
1回目:サーカス「ジャグリングはどこに向かうのか?~現代サーカスシーンにみる、ジャグラーたちの模索と変貌~」
[講師]田中未知子(社団法人瀬戸内サーカスファクトリー代表)
2回目:舞台公演「『100年サーカス』報告会~ジャグリングとサーカスの創作を現代日本で試みようとすることの課題と展望~」
[講師]目黒陽介(ジャグラー・演出家/ながめくらしつ代表)、田中未知子
3回目:フェスティバル「大道芸ワールドカップin静岡の歴史~なぜ大道芸ワールドカップはここまで大きくなれたのか~」
[講師]甲賀雅章(大道芸ワールドカップ in 静岡プロデューサー)
4回目:ショーの作り方「Making Juggling」
[講師]Wes Peden(ジャグラー)
5回目:サーカスの世界での生き方「海外でサーカスアーティストとして生きる方法」
[講師]山積隆之介(シルクドソレイユ登録サーカスアーティスト、ジャグラー)
同日開催の第5回に続けて開催される第6回目となる今回は「伝統と継承」として、江戸太神楽の丸一仙翁親方にご登壇いただけることになりました。 仙翁親方ご自身の豊富な知識とご経験談を中心に、太神楽についての実演もまじえながら、 日本の伝統ある曲芸=ジャグリングの変遷をお話いただきます。皆さまのご参加をお待ちしております。
講師プロフィール
江戸太神楽 丸一仙翁(まるいちせんおう)
先人の創意工夫が凝縮した太神楽独特の芸や道具の魅力を、63年の芸暦を通して磨きぬかれた技の確かさと 立ち居振る舞いの美しさとともに現代に伝え続けている。海外での公演経験も多く、 ジャグリングとしても1994年から3年間にわたってIJAやEJCなどのフェスティバルに参加し、 IJAではゲストステージ出演や日本人初の優秀賞(ファウンダー賞)を受賞。 近年ではフランスのサーカスフェスティバルにも招聘される。 また年に1度の一門会「江戸太神楽の会」公演、文京区民センターでの「江戸太神楽教室」など、 公演活動と並行して次世代の育成や伝承にも積極的に取り組み続けている。
講演概要
戦後の復興期から高度経済成長、東京オリンピック、大阪万博にバブル経済など、激動の時代だった昭和。 江戸時代から400年以上続く獅子舞と曲芸を中心とした大衆芸能であり、 日本伝統のジャグリングでもある江戸太神楽の人々は、その時代を、 ジャグリングを仕事として披露することで食ってきました。長年築いてきた伝統を守りながらも、 GHQ(連合国総司令部)やキャバレー、テレビに寄席、海外公演や天覧公演まで、 さまざまな仕事や場所に柔軟に対応することで、いかに芸人たちは生きてきたのか。 また、1990年代前半にすでにEJCやIJAなどの海外のジャグリングフェスティバルにて活躍し、 まだジャグラーすら少なかった日本の状況の中で海外のフェスティバルに触れて何を思ったか。 江戸太神楽の曲芸の実演や貴重な資料もまじえながら、国内外のジャグリングシーンの変遷を見続けてきた、 丸一仙翁親方の貴重な経験と豊富な知識を語っていただきます。
略歴
昭和15年10月25日東京・日本橋生まれ、昭和23年9月に十二代・鏡味小仙の芸養子となる。 昭和26年に二代・鏡味仙寿郎を名乗り「神田立花亭」にて初高座の後、6ヶ月のハワイ巡業や、 三井倶楽部での昭和天皇、今上天皇をはじめとした全皇族方出席の御前公演(十二代・小仙社中として)に参加。 昭和31年に「キャンデー・ボーイズ」に参加し、2年間半洋装で公演を行った後、和服の芸に戻る。 昭和39年「江戸の神楽と祭り囃子(ビクター発売)」芸術祭優秀賞を受賞、昭和41年タイ航空10周年行事にてタイ国王御前公演、 昭和53年公演「太神楽のすべて(於木馬館)」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。昭和63年に野村耕介主宰「大田楽」公演に参加し、 アメリカ・バッファロー公演、オーストラリア・ブリスベン公演、伊勢神宮式年遷宮・皇太子殿下御成婚奉祝公演、日枝神社、 住吉大社、伊勢神宮などでの公演に参加。平成5年、江戸太神楽十三代家元・鏡味小仙を襲名。平成6~8年にかけてEJCおよびIJAに参加し、 日本人初の優秀賞を受賞。平成7年より自主公演「鏡味小仙と若者達(現:江戸太神楽の会)」、 平成8年より文京区民センターにて「江戸太神楽教室」を開講。平成9~10年、 日本の伝統芸能を中心とした作品『YUME』でヨーロッパ三ヵ国ツアーに参加。 平成14年、第1回東京都ヘブンアーティストライセンス取得。平成17年、丸一仙翁に改名。 平成18年「JJF2006 in Tokyo」国内ゲスト(丸一仙翁社中)。 http://www.edo-daikagura.com/
日時
2014年10月13日(月・祝)14:30~15:30
場所
国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟402号室
備考
各自、筆記用具・ノートなどご持参の上、ご聴講ください。