サイトスワップ
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入門
議論
第21回
- 名称
- [SSS2023]
- 日時
- 2023/10/08 10:00~12:00
- 場所
- 国立オリンピック記念青少年総合センター 第2研修室
- 参加者
- 11名
概要
西野 | Discord サーバできました |
西野 | 平均が整数ならジャグれるか問題の紹介 |
加藤 | ものまね jmotion |
加藤 | 通貨スワップ |
いなむー | サイトスワップの教科書の紹介 |
いなむー | けん玉のサイトスワップ |
徳永 | Japan Club Carnival |
岩田 | 状態を多項式で表す |
Discord サーバできました
Discord 上にサイトスワップの議論をするサーバーを作成したことの報告があり、まだ入っていない人にはその場で入ってもらいました。
平均が整数ならジャグれるか問題の紹介
数列の平均値が整数であれば、数列の順序を入れ替えることで必ずジャグリング可能にできるかという問題についてです。例えば 321 という数列の平均値は整数の 2 ですが、このままではジャグリング可能ではありません。しかし順序を入れ替えて 123 とすればジャグリング可能となります。この、ジャグリング可能となるような入れ替えがあらゆる数列において存在するでしょうか。
本来の発表予定者が仕事の都合でサイトスワップシンポジウムに参加できなかったため、具体的な内容は次回に持ち越されました。無限数列まで考えるとそれほど簡単ではないようです。
ものまね jmotion
Discord に発表された jmotion は JavaScript 用のジャグリングシミュレーターライブラリです。ライブラリなので、これを使用して新たなシミュレーターを作成できます。具体的にどのようなシミュレーターができるかを示したのが今回発表の ものまね jmotion でした。
jmotion のデフォルトシミュレーターを動かすだけなら HTML を37行、JavaScript を64行記述するだけでよく、それとはデザインの異なるシミュレーターもそれぞれ数十行ずつ追加すれば作成できることが示されました。中でも「三珠さくまる風」シミュレーターの評判がよく、本人に連絡してはどうかという声が上がりました。
通貨スワップ
2種類の通貨を交換することを通貨スワップと言い、例えば米ドルと日本円との交換なら USDJPY と表記します。残念ながらこれはサイトスワップではありませんが、ETBJPY、KZTJPY の2つがサイトスワップになる通貨スワップであることが判明したという発表でした。ETB はエチオピア・ブル、KZT はカザフスタン・テンゲです。なお USDJPY に関しては USD 35577 JPY がサイトスワップになるようです(超円安で1ドル = 35,577円になるとジャグリング可能)。
会場からは、USD の前にも数字を追加した x USD y JPY で y/x が現実レートに近いものがあるのではないかとか、通貨コードが弱ジャグリング可能であれば何桁かの数字を追加すれば必ずサイトスワップにできるという指摘がありました。これらは サイトスワップ探索サービス にて探索することが可能です。
サイトスワップの教科書の紹介
昔、250ページある サイトスワップの教科書 を書いたという発表でした。今読み返してみると分かりにくい部分もあるため改訂版を出したいとのことです。
4736 のような弱ジャグリング可能な数列にどんな数列を追加すればサイトスワップに変換できるかとか、次の話題であるけん玉のサイトスワップについても記載されているそうです。
けん玉のサイトスワップ
糸なしけん玉のエンデュランスで行なわれた [34]23 という技の解説と、けん玉特有の注意点についての話題でした(けん玉のサイトスワップには必ずマルチが含まれます)。
剣を手に持ってその上に玉を載せる必要から [34]23 は [3玉 4剣] 2剣 3玉 としなければなりません。剣と剣のマルチが発生しないように、剣の軌道 420 と玉の軌道 303 に分解して考える必要があるということでした。そのための手法として、同じ時刻に投げる数字に 0 から始まる添え字を付けるとよいようです。[3041]2030 のように記述することで、どのオブジェクトがどこに移動するかを追跡しやすくなります。
Japan Club Carnival
2024年1月に開催するクラブのイベント Japan Club Carnival の X (旧ツイッター) のユーザー名 JCC8642 についての発表でした。略称の JCC はサイトスワップではありませんが、それ自身サイトスワップである 8642 を追加したことで全体でもサイトスワップになったそうです。
状態を多項式で表す
サイトスワップ 51 の状態 1011 を2進数とみなせば 1+2+23 と表されます。3進数なら 1+3+33 です。これを一般化すると x の多項式 1+x+x3 になります。ここで時刻 0 における状態を S0(x) とすると S0(x) = 1+x+x3 で、時刻が1つ進んで 5 を投げた後は S1(x) = 1+x2+x4 となります。
任意の時刻 i で x=1 を代入すると Si(1) = 3 となり、時刻に関わらずこのサイトスワップのボールの数になります。また x=0 を代入するとその時刻に投げるボールの数が出ます。では x=-1 は? 実際に計算してみると S0(-1) = -1, S1(-1) = 3 となります。これらの数字の絶対値は、その時刻におけるボールの偏りを表していると考えられます。パターン全体の偏りを考える場合は、右手で投げるときは +1 を、左手で投げるときは -1 をそれぞれ掛ける必要があるそうです。
その他 Si(x) を漸化式で表したり、1 の n 乗根を順番に代入することで n 本の手における偏りを表すこともできるといった話もありました。